第14章 1 Corinthians 13:4
「どうしたんだよ?」
当の本人は、どこ吹く風で。
「どうもしないよっ…」
枕にまた顔を埋めたら、昨日のことが頭に蘇ってきて。
恥ずかしさで身悶えた。
「風呂でも入る?」
「め、飯食ったらね」
そう返事をしたら、俺の頭をぽんぽんと智が撫でていって。
「じゃあ先に行ってる」
「服くらい着ろよおお…!」
顔をあげたら、まっぱで部屋を出ていこうとしている智のぷりケツが見えた。
「えー?どうせあとで脱ぐだろ」
「俺の心臓が保たない!」
「はあ??」
めんどくさがる智になんとかシャツとパンツを着せて、俺もそのへんにあるのを着た。
そのままふたりでキッチンに行って、朝食の準備をした。
「あ、服こんなとこにも落ちてる…」
どんだけ余裕なかったんだ…
リビングから散らばってる服をかき集めて洗濯機に入れた。
「智、洗うものある?洗濯機回しちゃうけど」
「ああ…じゃあ…」
智は手早く家中のタオルと昨日汗でべとべとになってしまったシーツ類をかき集めて、洗濯機に入れた。
「さすが主夫…」
「だろ?有能だろ?」
そのうえ手際よく洗剤や柔軟剤の準備をしてくれる。
有能さはそれだけじゃなかった。
「目玉焼きでいいか?」
「うん」
柔軟剤をセットして、智は俺を見上げた。
家事だけじゃなく飯を作る腕も俺よりだいぶ上なんだよなあ。
「俺さ、なになら智に勝てるんだろ?」
「ん?可愛さ?」
「ぶっ…」