第14章 1 Corinthians 13:4
眩しくて目が覚めた。
「ん…?カーテン…?」
遮光のカーテンを使っているから、寝室がこんなに明るくなるはずはない。
「おはよ」
「ん…おは…」
目を開けたら、裸の智が窓辺に立ってた。
無駄なものが何もついてない痩身が、朝日に輝いて美しいと思った。
思わず目が釘付けになった。
「…綺麗だ…」
「あ?」
「朝からいいもの見た」
「何いってんだ、おまえ」
だって、いいものだって思ったんだもん。
「まあ、俺も散々いいもの見たけどな」
「へ?」
いたずらっぽく笑うと、俺を見た。
「おまえの寝顔」
「ぶっ…」
うっそだろ。
よだれ垂らしてなかったかな。
寝癖…おわっ…ひでえ!!
「み、見るな!」
「もう散々見たっつーの」
「何時に起きたんだよぉ…」
「あー?わかんね…なんか今日すげえよく眠れたから…」
「でしょうね」
あんだけ散々したんだから。
思い出したら腰にずんと来た。
「うう…腰、いてー…」
「なんかごめん」
「謝んなよ、もお」
「朝飯、俺が作る」
「いいって。智も病人なんだからさ、一緒に作ろうよ」
「ははっ…病人かあ…」
でも今日の智は頬に赤みが差してて、表情も明るい。
今までの状況を知らなきゃ、とても病人には見えなかった。
「ま、全然見えないけどね」
そう言ったら、微笑んだ。
今まで一度も見たことない顔──
心臓飛び出るかと思った。