第13章 Ephesians4:25
一体、どれだけの間そうしていたのか。
性急になにかに追い立てられてるように俺の後口の準備をする智の肢体に見惚れていた。
鍛えられた細身の身体。
服を着ていると少年のようにも見えるのに、脱ぐと嫌でも俺と同じ男臭さを感じる。
そう
初めて会った日…
俺の中にするりと棲み着いたこの世に唯一人の「男」
脇腹には、あのときの傷
その他にも傷がたくさんあった。
これは智の「仕事」をしている最中についたものだろう。
死と隣り合わせの……
……死を運ぶ仕事
「はっ…ああっ…」
ぼんやりとしていた意識が、急に下半身の刺激に持っていかれた。
「そ、こっ…だめっ…」
前立腺を触られてる。
初めての人に探り当てられたことないのに、どうしてわかったんだろう。
そこを集中して刺激され、意識が散り散りになるほどの快感が襲ってきた。
「ここ?前立腺…」
「ひゃあっ…あっ、だめっ…」
本当に久しぶりにそんなところ触られたから、制御できなかった。
「だめじゃないだろ…」
快感を求めて腰が勝手に動いてしまうのを止められない。
智の指にもっと蹂躙されたい。
「ヤバ…」
智のつぶやきが聞こえたけど、もうそれどころじゃなかった。
「さとっ…しっ…ああっ…俺っ…」
「いいよ…?イキたいんだろ…?」
「…や…だっ…入ってっ…俺にっ…」
ヘッドボードの方に置いてあったゴムの箱を、身体を捩って掴んで中身を取り出した。
パッケージからゴムを取り出そうとしたけど、手が震えてうまくいかない。
「翔…」
智の声が聞こえて、後ろからパッケージをひとつ掴んでいった。
背後でパッケージを破る音が聞こえている。
まだ…身体、辛いかもしれない
でももう限界だった