第13章 Ephesians4:25

振り返って、智の身体をマットレスに押し倒した。
驚いて俺を仰ぎ見る智に馬乗りになってめちゃくちゃにキスをした。

「…智…」
「ん…」

キスしながらゴムが装着された智の屹立を掴んだ。
滑りが足りないからローションを塗りつけた。

そのまま熱を扱くと、智の口から吐息が漏れた。


もっと…

もっとだよ、智


「翔…」

智の手が伸びてきて、俺の手を止めた。

「…智」

荒い息を吐き出しながら俺達は見つめ合った。
俺の落とした汗が、智の傷跡の上を伝い落ちていく。

今まで見たものの中で
一番美しく
一番悲しい


その痩身を抱きしめた。


この人の背負っている罪や業
俺も一緒に背負いたい


唐突に湧き出た感情に戸惑った。
そんなことできるはずもないのに。

突然の感情を振り切るように身体を起こすと、自分の後ろに熱を押し当てて腰を下ろしていく。

「あ…あぁ…」
「翔…っ、おまえまだっ…」
「も、我慢できないよ…」

ゆっくり、ゆっくりと。
その形をまだ慣れていない自分の身体に刻みつける。


離れないように
離れていかないように


焼き切れるかと思うほど熱い智を、自分の体内に取り込んでいく作業に没頭した。

「しょ、おっ…無理すんなって…」

切羽詰まった声が聞こえて、やっと智の顔をみる。
快感なのか、苦痛なのか。
いろんな感情が綯い交ぜになった顔。

なのに見たこともない色欲を纏っている
堪らなかった

「くっ…」
「翔っ」

一気に根本まで智を埋め込んで、やっと安心した。


ねえ、智
こんなに身体が熱いのは初めてだよ

どこまでもドロドロに溶かされて
智とひとつになって


その罪をも背負って


俺達は融合する