第13章 Ephesians4:25
智の指が、俺の中を掻き回す。
「あっっ…」
久しぶりの感覚。
なのに、熱い。
智の触れてるとこ、全部熱い。
「あっつい…」
汗がとめどなく出てくる。
まだ春だと言うのに。
額の汗を指で拭いてふと智を見ると、真剣な顔してる。
その額も汗塗れだった。
タオル、持ってくればよかった。
手を伸ばしてティッシュの箱を取って、何枚かとると智の額に触れた。
「汗…目に入ると、痛いよ」
「ああ…ありがと」
汗を拭いてる間にも、智の指は動いてて。
最近ほんとうにこういうことしてなかったから、まだ柔らかくなってくれない。
もどかしい。
「うう…」
姿勢を変えてみても、早く柔らかくなるはずもなく。
「痛い?」
「ううん…違う…」
恥ずかしさと申し訳無さと、指がもたらす熱と少しの快感で思考がうまくまとまらない。
「じゃあ、気持ちいい?」
「ん…ちょうどいい…」
正直に答えてしまって、少し狼狽えた。
「あ、その…っ、智の指が…」
「気持ちいいんだ?」
「あっ…」
ぐっと強く指を中に入れられ、仰け反ってしまった。
「いい?なあ、答えてよ」
なにかに追い詰められてるかのような顔をしながら、指はいやらしく俺の中をぐちゃぐちゃに掻き回してる。
そのアンバランスにクラクラする。
「い…いい…」
熱が新たな熱を呼んで、シーツにぽたりぽたりと音を立てて汗が落ちていく。