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Maria ~Requiem【気象系BL】

第13章 Ephesians4:25


部屋に戻ると、点滴の針を抜いてもらった。
シールを俺の腕に貼り付けると、翔はスタンドなんかを片付け始めた。

「明日俺がやるから…」
「いいから。病人は黙って寝てろ、だよ?」

点滴のお陰で、だいぶ元気を取り戻した気はする。

でも油断したらだめで、以前点滴を打って元気になったと思った次の日に起き上がれないことがあって。
だから明日になってみないと本当に元気になったかなんてわからない。

キッチンまでゴミを捨てに行って戻ってきた翔の身体は冷えてた。

「…薄着でウロウロするから…」
「大丈夫だよ?俺、こう見えても結構丈夫なんだよ?」

ぎゅうっとあったかくなるよう、翔の細い体を抱きしめた。

「苦しいよ、智…」

笑ってる翔の顔は、闇の中でも分かるほど美しく。
胸がぎゅっとする。

「……?」
「どうしたの?」
「なんでもね」

なんで、最近翔のこと思うと胸がぎゅっとするんだろ。

「まだ身体熱いね…」

翔もぎゅうっと俺の身体を抱きしめてくれる。

「うん。でもだいぶ辛いのは抜けた」
「よかった。解熱剤と点滴のおかげだと思うから、明日も寝てなきゃだめだよ?」
「わかった…」

ふふっと笑うと、翔は俺の胸にごしごしと顔を擦り付けた。

「明日から春休みだから一緒に居られるね」

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