第13章 Ephesians4:25
「う~…まだ腹いっぱい…」
晩飯が終わって、食器を片付けた後。
翔は茶を淹れて、俺は薬を水で流し込んだ。
しばらく二人でボケっとテレビを見ていたけど、翔の腹は一向に凹む兆しがなかった。
「いくらなんでもギョーザ食い過ぎだろ…」
「若いから、智より食うもん」
「俺が爺さんみたいな言い方するな」
「爺さんとは言わないけど…おじいちゃん?」
「一緒じゃねえか!」
翔は笑いながら、席を立った。
「はいはい。おじいちゃんご飯食べたんだからお部屋に戻りましょうね」
そう言って、俺の背後に立った。
「俺の後ろに立つな」
「はい、ゴルゴ智さん。行きますよ」
ここ数日、高い熱を出していたから早く寝かせようとする。
「まだ大丈夫だって」
「点滴入れてるからそう思うの。早く寝よ?」
「むう…」
大人しく寝室に行くと、翔は俺がベッドに寝るまで見届けた。
「よし。じゃあ俺は風呂でも入ってくるかな…」
「ん?勉強は…」
「もう試験終わったよ」
苦笑いで返された。
「あ、そうだったな」
「まあ後は新学期からの講義の確認とか、いろいろすることはあるんだけどね」
来月から、更にまた大学が忙しくなるって言ってたな…
「まあでも、のんびりやるよ。試験終わったばっかりだし。春休みだしね」