第11章 What a Friend We Have in Jesus
皮肉っぽく言うと、その言葉に自分で傷ついたのか、どこか痛そうな顔をした。
「同情じゃないって…」
「もうわかったから…寝よ?」
何を言っても信じてくれそうになかった。
どうしてこう頑ななんだ。
離れていく翔の背中を眺めながら、真っ黒い物が腹の中に湧き上がってくるのを感じた。
好きなら…俺の言う事くらい信じろよ。
それに性欲を解消する相手くらい居るって、どういうことだ?セフレでもいるってことか?
寝室までついていって、ベッドに座って翔がパジャマに着替えるのを見ていたら、セーターを投げつけられた。
「見るなよっ」
「だって視界に入るから…」
「ガリガリだから見られたくないんだって!」
同じ男としてその気持ちはわかるが…
「誰かにガリガリだって言われたのかよ?」
「は?」
「最近寝た相手にでも言われた?」
「…なんでそんなこと言うんだよ」
なんで?
そんなこと俺が聞きたい。
なんで俺の言うことを信じないのか。
なのに身体の欲を発散するだけの相手に言われたことを信じてるんだ。
「俺は…」
泣きそうになってる翔の顔を見てたら、言うのを止めてしまいそうになった。
「…うまくいえないけど、俺は…」
でも前に和也に言われた。
言いたいことを言えずにいたら、憶測や嘘が本当になっていって…
後々苦しむのは、自分だって──