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Maria ~Requiem【気象系BL】

第11章 What a Friend We Have in Jesus


「…言ってくれ。なにかされたんだな?」
「ううん…違うよ」

密着しているから、翔の静かな声がダイレクトに響いてくる。

「なんだよそれ…言えないのかよ?」
「ね。教えて…?なんで俺のこと恋人だって説明したの?」
「それは…」

ふっと翔の腕の力が緩んだ。
少し身体を離すと、翔は俺を見て笑おうとした。

でも、うまく笑えないようだった。

「翔…?やっぱりなにかされたんだな?」
「ううん。俺には…」

そう言って、言葉を濁す。

「おまえにはしてないってことは…家族になにかされたんだな?」

それにも翔は答えなかった。

「恋人だって説明した理由を教えてくれたら…答える」

真剣な顔で俺のこと、まっすぐ見た。
思わず目を逸してしまうくらい、まっすぐ俺のことを見る。

「…ある事情があって…そう言っておかないと、翔に危害を加えると思った、から…」
「ある事情…」
「それは詳しくは言えない」

ここで線を引いておかないと、俺が出ていった後の翔の命が危なくなる。

巻き込んじゃいけない。
俺たちみたいな真っ暗な闇に…

「人を…殺すこと…?」
「翔っ…」

驚いた。どうして?なんで翔がそんなことを知ってる。

「雅紀か…雅紀がそんなこと言ったのか!?」

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