第1章 始業式
「はは、さあね?忍者なんだから卑怯も何もないでしょ」
一年間だけ所属して、翌年からは別の人に任せるつもりでいたが、結局六年目の今年もこの委員に所属し続けている。
何より頼むつもりだった同級生たちは、誰一人残らなかった。もっとも仲のよかった子は長期休みに実家に帰ったがために戦に巻き込まれ、帰らぬ人となった。
ほかの五人も厳しい日々の鍛錬に付いて来られず自ら退学したり、素行の悪さから退学処分になったりと、それぞれの理由でここを去っていった。
「君、そういうところ冷めてるよね。留三郎ったら、のどこがいいんだろう」
四年生にあがったときには気づけば、私の同学年は忍たまだけになっていた。くノたまは
私一人。同級生はいなくなった。
心細く物足りない鬱々とした日々を今日まで乗り越えてこられたのは、保健委員会に所属していたからかもしれない。
最後の一年間が今日、始まった。