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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第5章 𝕆𝕕𝕠𝕟𝕥𝕠𝕘𝕝𝕠𝕤𝕤𝕦𝕞


《 ひかり side》



あ〜…羽根忘れちゃった


気付いたときにはもう遅くて、今から引き返せば学校に遅刻してしまう
今まで一度も忘れたことなかったのに……

昨日のことがあったから気を取られてうっかりしていた。仕方なく重い足取りで駅に向かい、ホームで電車を待つ


『あ、轟くんっ』

昨日のことがあったのにも関わらず声は自然と出ていた。お互い最寄りが一緒なのは知っていたけど駅で会ったのは初めてだ
轟くんは少し眠たそうな顔を私に向けた


『轟くんおはよう、眠そうだね』

「おはよう、なかなか寝付けなかったら眠ぃ」

『なんか珍しいね…あ、そこ髪の毛跳ねたまんまだよ?』

「ん、どこだ」

『えっとね、ここら辺!』


私の動きに合わせて轟くんは自身の髪の毛を擦る。ぴょんと跳ねた寝癖は中々落ち着いてはくれなくて苦戦してる様子にクスッと笑ってしまう

あれ…?変に意識してない、普通に喋れてる
邪念を振り払えたのかも!!
…このまま会話を膨らせてみよう

『夜ふかしでもしてたの??』

「いや、考え事してたらいつの間にか深夜になってた」

『へー!なに考えてたの?』

「 秋月 の事考えてた」

轟くんは私をじーっと見入るように見ていて
その視線に身じろぐこともできない

『…私のこと?』

轟くんは一頷きしたあとに言う

「あぁ、昨日オレの指咥えてた 秋月 の表情がすげぇエロか…」

『とどろきくんっっ!!!!!』

思わず大きな声が出て轟くんの言葉を遮る
なんでそんな事言うのぉ…

電車がやってくるアナウンスがホームに響き渡る
私は頬を膨らませてプイッとそっぽを向く
轟くんのバカ!思い出すだけでもモヤモヤするのに…


電車はものすごい人でいっぱいでいつもより混んでいた。私と轟くんは人の隙間に体を押し付ける形で入り込み、なんとか乗車する

ギュウギュウに詰まった満員電車は私達のことなどお構いなしに出発していく

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