第5章 𝕆𝕕𝕠𝕟𝕥𝕠𝕘𝕝𝕠𝕤𝕤𝕦𝕞
日が沈み、茜色の光が辺りを照らす
秋月 と別れ一人になった帰路を歩いていく
手にはまだ彼女に触れた感触と温もりが残っている
……触れ足りねぇ……
秋月 を前にするとその肌に触れたくなっちまう
多分…拒まれても我慢できねぇ
抑えきれない衝動がここ最近 秋月 を前にすると襲ってくる
開いていた手のひらを固く握り締める
そう言えば触れている時 秋月 がどこか悲しげだった気がする
最近避けていた理由も聞けずじまいだった
分かんねぇ、手繰り寄せようとしても上手くいかねぇもんだな
秋月 に近付こうとするたびにどんどん遠のいていく
彼女がいないだけで不安で落ち着かない気分を掻き立てられる
オレは誰も立っていない隣を見て 秋月 を想像する
オレの目を見て愉快そうに笑っているだけで
ただ隣にいてくれればそれでいい
傍にいてくれ