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花水木が咲く頃に ꕥヒロアカꕥ

第8章 𝕊𝕦𝕟𝕗𝕝𝕠𝕨𝕖𝕣


《 ひかりside》


借り物競争のあと眠気に耐えられず五分だけと意識を手放し、目が覚めた瞬間自分を殴りたくなった
もうトーナメント始まってる!!!!!

急いで控え室を飛び出して観客席へと走り、その中でお茶子ちゃんの姿を見つけ急いで駆けつける

「あれ、 ひかりちゃんおはよう!」

『え、あ、おはよう?』

「よほど疲れてるようだったがもう大丈夫なのか?」

お茶子ちゃんの隣にいた飯田くんがわざわざ立ち上がって問いかけてくれる
二人から視線を外し、セメントス先生が作ったリングの上を確認する。そこに立っていたのは緑谷くんだ

「たった今デクくんが勝ったとこだよ!
出番のちょっと前に ひかりちゃん起こしに行こうと思ってたんやけど…」

「もしかしてデクくんの試合も起こしたほうがよかったかな」上目で遠慮がちに言うお茶子ちゃんに対して私は首を横に振る

『ううん、お茶子ちゃんのおかげで一回戦頑張れそうありがとう!』

お茶子ちゃんと飯田くんに緑谷くんの試合内容を聞いてるうちに緑谷くんがやってきて、あっという間に試合は轟くんと瀬呂くんへと移った

登場から轟くんの様子は明らかにおかしくて、試合が始まってすぐにわかった
……なに、これ

視界を塞ぐほどの広範囲の氷の塊に息もつけないほど脳が揺さぶられる
観客席から湧き上がったどんまいコールの中、一人だけ動けないでいた
……轟くん…!

「え、 ひかりちゃん?」

『ごめ、ちょっと轟くんのとこにいってくる!』


いまどうしても傍にいてあげたいと思った
いいや違う、私がいたいと思ったの



「恋してるね〜〜」

「?よくわからないけど 秋月 さんあの格好のままで大丈夫かな」

「あ、」



轟くんに会いたい
そう思いながら走れば自然と彼の下へ連れて行ってくれるようで無我夢中で腕を振る
次の角に差し掛かったとき視界に飛び込んできた姿に胸が弾んだのが分かる


『あ、轟くん!ちょうどよかった!』

心の底から溢れる笑みで彼を見上げると腕を引っ張られてそのまま腰に手を添えられギュッと抱き締められる

『…とど』

「会いたかった…」

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