第15章 もうひとりの子
「馬鹿な思考だな」
少女は呆れたように鼻で笑った
「それでもいい、私は生きたいッ!!」
真白の言葉を聞いた少女は唇を噛み締めて叫ぶように言った
「私だって生きたい!お前に分かるか!!生きたいと願いながらも名前すら与えられずに殺されることを!!」
「殺される?あなたは一体……何で私のところに来るの?」
「私は……お前等の母親から産まれた子供__つまり姉妹になる筈だった」
「姉妹!?」
(待って、さっきの三つ子って……私と雪花ちゃんとこの子なの?)
「お母さんから……私には雪花ちゃんしかいないとばかり……」
「彼奴等が黙っていたのだろう、私は確かに産まれた……だがな、美桜家の奴らは三つ子だと分かった瞬間、私を呪って殺した」
「何でそんなこと……?」
「双子、三つ子……母親の体から一気に赤ん坊が出てきたら災いが来るのだとよ、知るかそんなもん」
「じゃあ何で私と雪花ちゃんは死なずに済んだの?」
(双子だったから殺されてもおかしくない筈)
「私が呪われて死んだことを知った母さんが次に殺されるのは双子のどっちかと考えたのだろう、呪詛を阻止した」
(私と雪花ちゃんはお母さんに助けられたんだ……でもこの子は……)