第15章 もうひとりの子
“三つ子だ……災いを呼ぶ忌み子……”
“殺してしまおう……美桜家を安泰にさせる為に……”
(三つ子?忌み子?殺すってそんなの酷い……)
「ここは……」
(夢?)
目を開けるとそこは辺りが黒かった、真ん中には満開に咲いた桜の木があり、とてもそれは暗い空間には似合わなかった
桜の木の前には少女が居た、その子は年齢的に真白と同じそうで真白の知っている人に似ていた
目を凝らして見てみるとその女の子は人間では無かった、頭に耳があったのだ
(この子、人間じゃない……)
「あなたは……誰」
(もしかして呪霊?)
真白はもっと近くで見ようと女の子に少し近付く
「どうしてお前が生きている?お前は自ら死のうとしたのに」
女の子は真白を睨みつけながら言った
「なんで……そんなことを知っているの?」
「私はお前の一部と言ってもいい……普段の行動や思考を見ているからな」
「意味が……分からない」
「理解力が低い人間に話すのも時間が惜しい、単刀直入に言う、お前の体を私に寄越せ」
「……い、嫌だ……」
「お前に生きる価値はない、分かるだろう?」
「そうかもしれない……でも私は宿儺様に生きる意味を貰った、もう少しだけ信じてみたい……だからあなたに体をあげないッ」