第14章 彼女の生きる理由
(私にもっと力があればこんなの簡単に引き上げれるのかな?)
「……」
(この子には未来がある、でも私にはそれはない……それなら……もう、ここで……)
真白は全身に力を込めて男の子を引き上げた
そしてそれと引き換えに真白は橋から落ちた
“バシャン”
(冷たい……それもそうか……あれ?何で私は息を止めているのだろう……)
「……」
考えた結果、何も出なかった
(私はあの子を助けた、それでいいじゃない……私の最後はこれで……)
真白は息を止めるのを止めて口の中にある空気を吐き出した
「げぼッ」
(これが入水自殺ってやつか……苦しい)
やがて真白の意識は薄れてた
そしてぷつりと真白は暗闇に飲まれていった
“バシャン”
意識を失う直前、川の中から誰が飛び降りたような音が聞こえた
「え?」
(私、死んでない……よね)
気が付いたら真白は見覚えのある部屋に居た
「おい」
「!?」
隣にには宿儺が居て、何だかいつもより声が低かった
おそらく怒っているのだろう
(これ……絶対に怒ってる!!)