第14章 彼女の生きる理由
(危ない!!)
昨日の夜から早朝まで雨が降っていた為、川はいつもより水の量が増えていた
その川は結構深さがあるのに対して周りの人は親子を気にしていないようで通り過ぎていた
母親はどうすればいいのか迷っていて混乱していたようだった
様子を見ていた真白は走って親子のところに行った
(もう見ていられないわ!!)
「すみません、通して下さい」
真白が親子のところに辿り着くと急いで子供が掴んでいた手を掴んで引き上げようとする
「うっ、、、」
(この子、凄く重い……)
「お、お姉ちゃん……」
男の子が泣きそうな目で真白を見つめた
「待ってて、今引き上げるから」
(頑張るしかない!!こんな幼い子供を見捨てるなんて出来ない!!)
「ぐぬぬ」
(何で……みんな助けてくれないの?)
真白は橋を通り過ぎる人々に違和感を覚えた
(おかしい……これだけ騒ぎになっているのに誰も見向きもしない、それにこの子と母親の服装……都ではあまり見ない古着を着ているわ)
母親の横を通る際に母親が着ていた着物や、男の子の着物はところどころ破れていてとても都では見ない服装だった
(もしかして、誰も助けないのはこれと関係がある?)
「っ……」