第13章 初めての逢瀬
「真白が来ているのは古すぎる、新しいものを着たほうが見栄えがいいからな」
確かに真白が着ている着物は屋敷の女中が来ているような質素な着物だ
環が持ってきた着物でおそらく着なくなったからあげる的なものなんだろうと真白は察しながら着ていた
「本当にいいの?」
「だから良いと言っているだろう」
「……ありがとう」
(やっぱりこの人は優しい)
それから着物を購入して真白と宿儺は店を後にして屋敷に帰った
真白は早速買ったばかりの着物を着て姿見で自分の姿を写した
「入るぞ」
宿儺は真白の部屋を来て襖を開けた
「少しは良くなったな」
煽るような口振りで宿儺は言った
(単純に馬鹿にされた……でも)
「本当に今日はありがとう、楽しかった」
真白は宿儺に近付いて礼を言った
「目を瞑れ」
「え?」
突然目を瞑れと宿儺に言われたが真白は渋々目を瞑った
すると箱の音が聞こえ、何かを取り出す音が聞こえた
やがてそれは真白の髪につけれたような感覚がした
「開けてみろ」
「……」
(何かついてる……)