第13章 初めての逢瀬
真白は目を開けて髪を触ると何かがあるような手触りがした
急いで先程使っていた姿見に行ってみると自分の髪に髪飾りがついていた
それは真白が呉服屋で見ていた雪の結晶と黄色い薔薇を組み合わせた髪飾りだった
「これッ!!」
宿儺のほうに振り返ると宿儺は顔を逸らした
「随分と見ていたからな、褒美だ」
(宿儺様……)
「こんな風に優しくされたことがなかった……この髪飾り、大事にする」
真白は満面な笑みで宿儺に言った
「!?」
宿儺はあまりにも真白が微笑んでいて驚いた様子だった
「そんなに驚いてどうしたの?」
「……何でもない、気にするな」
宿儺は顔を背けた
それはまるで宿儺は自分が照れた顔を隠すような素振りだった