第13章 初めての逢瀬
(うぅ、人が波のように見えるわ……これじゃあ迷子になりそう)
人混みに飲まれ、真白と宿儺の距離が大きくなりかけていた
「おい、ぼさっとしているな」
宿儺は真白が迷子にならないように真白の手を繋いだ
「あ、はい」
真白は繋がれた手を握り返した
(あれ?宿儺様って優しい?)
気付いたら目的地である呉服屋に着いた
繋いだ手を離して中に入るとそこは着物だけではなく、簪や髪飾りが売っていた
(髪飾りがある……)
「ここで待っていろ」
宿儺がそう言うと真白は頷く
すると宿儺は奥の方へと行ってしまった
(凄く綺麗なものばかり……)
「あ、、、」
真白はあるものの前で止まる
(この髪飾り、綺麗……)
様々な髪飾りの中から真白はひとつの髪飾りを眺めていた
それは雪の結晶の上に黄色い薔薇のようなものの髪飾りだった
「真白」
不意に後から声が聞こえ振り返ると宿儺が居た
「あ、宿儺様……」
「来い、着せたいものがある」
真白は宿儺と一緒に先程宿儺が行っていた奥の方へとついて行った
「これは……」
目の前には水色の着物とその隣に青い帯らしきものがあった