第13章 初めての逢瀬
頬を頬張らせながら食うところ」
「……嫌だった?」
「嫌ではない、面白い顔だった」
(面白いって__)
「宿儺様って変な人……」
真白は儚そうにくすりと笑う
「はっ、ようやく笑ったな」
「あ、ごめッ__」
「謝るな、お前に笑われるのは悪い気分ではない」
「はい……」
宿儺は団子をひとかじりした
「宿儺様が団子好きなの、意外だった」
「覚えているか?河原のこと」
(河原?嗚呼、あれね)
「勿論」
「あの団子が美味かった記憶がある、また食べてみたい、作れ」
(もしかして宿儺様がこうして団子を食べているのはあの河原で食べた団子が美味しかったから好きになったのかしら?……いや、まさかね)
「分かった」
その後、真白と宿儺は菓子を食べ終えて店を出て歩き出した
(この道は……まだ帰らないのね)
真白は一瞬帰るのかと思ったが方向が違ったのに気付いた
「次は何処に行くの?」
ダメ元で宿儺に聞いてみた
「呉服屋だ」
すると宿儺はすんなりと答えた
「呉服屋……」
(宿儺様が着る着物を買いに行くのかしら?)
そう思いながら真白は歩いていると昼の時間帯なのか、人が多くなってきた