第9章 動き出す歯車
「やめて!!嫌だ!!」
真白は震えながら宿儺の腕の中で暴れる
「大人しくしろッ」
宿儺は自分の中で暴れている真白を落ち着かせようとするが突然、宿儺は目に見えない“何か”によって弾き飛ばされた
「何だこれは……」
弾き飛ばされた宿儺は驚きを隠せていなかった
「はぁはぁ……」
宿儺は受け身をとって怪我をしないようにした
真白を見てみると真白の周りに黒い靄らしきものが舞っていた
それは呪力ではなくもっと邪悪な存在のようにも感じ取れる
「ぐッ、、、」
真白は自分の胸を抑えて苦しみだした
(な、に、これ……心臓が何かに掴み取られているような感覚……苦しい)
あまりの苦しさに真白は耐えるのに限界を迎えたようで膝から崩れ落ちて倒れた
それから真白はぴくりと動かなくなった
状況を把握できていない宿儺は真白に近づこうとした
「近づいちゃ駄目よ!!今の真白は危険な状態だわ!!」
台所を片付けていたはずの環がいつの間にかいた
おそらく騒ぎを聞きつけて部屋に来たのだろう
「どういう意味だ?」
「説明は後よ、宿儺!!手を貸して頂戴!!“彼奴”が出る前に止めるわよ!!」