第9章 動き出す歯車
環は台所を借りておかゆを作った
そしてそれを真白と宿儺がいる部屋に持っていった
「お待たせ」
環はおかゆを乗せた盆を真白が眠る畳の横に置いた
「随分と早かったな」
「まぁね、台所に全然食材がなかったからこんな質素なものしか作れなかったわ、あなたよくあれで生活できているわね」
「料理は食わんしな」
「ん、、、」
宿儺と環が話していると真白が目を開けた
「あ、起きた、じゃあ私片付けがあるから後はよろしくー」
環は何かを思いついたように立ち上がり襖を開けた
「おいッ」
宿儺は環を引き留めようとしたが環はそそくさと部屋から出ていった
「……」
真白は不思議そうな目で宿儺を見ていた
(宿儺様……本物だ、もしかしてあれは幻ではなかった?)
「小娘、これを食え」
宿儺は先程環が作ったおかゆを差し出す
「……食べたくない、私はもう……」
(食べてしまえば死ねない、生きているのが地獄に感じる)
「ちっ、、、」
宿儺は面倒くさそうに舌打ちをしておかゆを口の中に入れた
おかゆを口の中で噛み砕き、真白を抱きしめて口移しで食べさせた
「!?」
(何で……)
「嫌なら自分で食え」