第8章 奪還
誰かが慌ただしく地下に降りてきた
「奥様!!」
どうやら家臣の男が貴子の安否を確認しに来たようだ
「これは何の騒ぎなのかしら?」
「男が門を破壊し、屋敷に入ってきたようです!!」
「こんなときにッ!!」
貴子は真白を殺せななかったことを悔やみ、唇を噛みしめた
「奥様も避難を!!」
「そうね」
その時、また階段を降りる音がした
「護衛の人かもしれません、急いでいきましょう」
ふたりは逃げようと地上へ続く階段に向かったが
「おい、これは何だ?」
(この声は……)
この場にいないはずの声が聞こえた
それは真白にとって聞いてて安心するような声だった
「お前誰だ!!」
家臣は貴子を守ろうと刀を抜く
「邪魔だ」
家臣は体中を切りつけなれ、無惨な姿になった
「きゃぁーー!!」
貴子の悲鳴が地下に響く
「あんたは……あんたは宿儺ッ」
貴子は家臣を殺した男の顔を見て強張った表情をした
なんと五条家を襲撃したのは宿儺だったのだ
宿儺は貴子の横を通り、真白に近づいた
(宿儺様?まさかね……私の幻聴だわ……)
これ以上現実を見たくないのだろうか、目を閉じた