第8章 奪還
(寒い……体中が痛い……)
真白は横になっていた
ボロボロの着物、綺麗だった白髪は見る影もなく汚れ、そして目は虚ろんでいた
「……」
真白がぼーとしていると音が聞こえてきた
誰かが地下に来たのだろう
(今日も……あるのか……)
少し経つと音の主が現れた
それは貴子だった
「随分とみすぼらしい姿になっているのね」
貴子は真白を見下しながら言った
「……」
「何か反応しなさいよ!!」
貴子は怒鳴り、牢の扉を開けて真白に近づいた
真白の近くにやってきた貴子は真白の体を足で踏みつけた
(っ……)
「お前は本当の意味で用無しよ、今日が命日になる日……この意味分かる?」
貴子は懐から短刀を出し、鞘を抜いた
(嗚呼……私死ぬのね……)
真白は逃げようとせず、全てを諦めた顔をした
(ようやく……この地獄から開放される)
貴子は真白を刺そうとする
「終わりよ」
貴子がそう呟いた瞬間
“ドーン!!”
上から爆発音が聞こえた
爆発音の後に女中達の悲鳴や家臣の声が聞こえてきた
「な、何よ!!」
貴子は予想外の事態に同様をしていた
“ドンドン”