第6章 五条家脱出作戦 〜当日〜
「それなら私も行くわ!!私には術式があるもの!!」
「雪花ちゃんの術式は反転術式でしょ?それに五条家の家臣の人達を傷つけることが出来るの?」
「……」
雪花は黙り込む
「私は雪花ちゃんを守りたい、例えそれが人を傷つけでもやってみせる」
「真白!!」
やめてと言わんばかりに雪花は声を荒げる
「雪花ちゃん……」
真白は雪花を見つめる
「いや!!いやよ!!もう何も言わないで!!」
「……幸せになってね、私の分も……いつ会えるか分からないけどまた会おうね」
(もう会えることはないと思う……)
真白は荷物から刀を取り出し、それを持って馬から飛び降りた
「真白ぉーー!!」
雪花が真白の名を読んだが真白は無視した
(さようなら、雪花ちゃん……)
真白は目を閉じ、心のなかで雪花に別れの言葉を言った
そして目を開け、覚悟を決めた目で前を見た
前からは家臣の軍団がやってきた
「雪花様がいない!?」
「とりあえず真白を捕まえろ!!」
馬から降りた家臣達は真白に向かって一直線に突撃した
真白は刀の鞘を抜いて、それを地面に放り投げた
「来い!!」
(一分だけでもいい、時間を稼いでやる)