第6章 五条家脱出作戦 〜当日〜
「見つかるの早くない?」
後ろになっていた雪花が真白に話しかけた
「私達があの村で過ごしすぎた、ここは五条家が所持する土地、村の誰かが五条家に連絡したと思う」
淡々と真白は述べる
「うわっ、後ろ来てる!!」
「くそッ」
「油断したわ」
「土地から出たら五条家は追ってこない筈、もし他所の土地に入ったらそれは侵略行為」
(どうする?このままだと追いつかれてふたり共捕まる……それだけは避けたい)
真白は必死に頭を巡らせ、考えた
そしてひとつの最適解が浮かぶ
「雪花ちゃん、ちょっと大人しくしてて」
真白は綱から手を離し、荷物から太い紐を出した
そしてそれを雪花に巻き付け、馬の座るところに付けた
「え、なにこれ?」
「ごめん、雪花ちゃん……私これ以上は行けない」
「どうして!!まさかッ!?」
雪花は真白の考えに気付いた様子
(雪花ちゃんにしては勘がいいね……)
「まさか真白、あなた足止めをする気!?」
「そうだよ」
「無茶言わないで!!どうやってやるのよ!?」
「……剣術で対抗する、私こう見えて毎日剣術の修行をしてたの」
(素振りしかしてないけど)