第39章 呪いの王の復活
「ああやはり、光は生で感じるに限るな」
虎杖−−否、宿儺はにやりと笑いながら言った。
虎杖は呪霊から伏黒を守る為宿儺の指を食べ呪霊を祓った。
そこまで良かったが何と虎杖は宿儺に受肉されたのだ。
「人は、女はどこだ」
「いい時代になったものだな」
「女も子供も、うじのように湧いている」
「すばらしい! おう殺だ!」
“バーン!!!”
コンクリートを壊し、姫和が出てきた。
「大丈夫?」
姫和は伏黒の前に来て、鎌を持ちながら警戒する。
宿儺の姿を姫和が見ると彼女は複雑そうな表情をする。
(何で今頃……)
それは宿儺という人物像を随分前から知っているような素振りだった。
だが今はそんな気持ちを感じている暇はなく気持を切り替える。
「これが大丈夫に見えるか?」
「見えないね、というかどういう状況?これ……」
姫和は虎杖の姿をした宿儺を見る。
「虎杖が宿儺の指を食べて受肉された」
「うっへぇ〜見た目によらず随分と大胆な行動をするね」
苦い顔になりながら姫和は言った。
「柊だけでも逃げろ、お前の手に終えない」
「出来ればそうしたいのは山々だけど……彼、逃がしてくれないと思う」
伏黒と姫和が小声で話をしていた時、宿儺が口を開いた。
「話は終わったか?」
「安心して、援軍を呼んだからそれまでに持ちこたえれば私達が有利になる」
姫和は小声で伏黒に言った。
そして宿儺を見つめる。
「大体は終わった」
(私がすべきことは一つしかない)
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁、あなたを呪いとして……祓う!」
一気に宿儺に近づき、鎌を振った。
宿儺はすんなりと避ける。
(さて、問題は五条先生が来るまで持ちこたえるかどうか……伏黒を守りながらだと思うように動けない)
「ふははッ、小娘ごときにこの俺が祓われるわけがないだろう」
「大人しく祓われたら後々楽だと思うよ」
姫和と宿儺の激しい攻防が繰り広げられたがそう長くは無かった。
宿儺に背後を取られ、拳が降りかかるが鎌を使って抑えた。