第35章 人生の終わり
その頃、叶は五条家の屋敷に戻る途中だった
宿儺との戦いで無傷とは行かなく、あちこちの傷口から血が流れていく
「!?」
叶は突然、何かの気配を感じた
背後から感じる殺気、叶は振り向くとそこには真白がいた
「真白……ごめん」
叶は謝った
宿儺を殺したのを否定しなかった
「……宿儺様の首と指は何処?」
「上の連中の手にある、ここにはない」
叶の口から出た上の連中とは政府の人間だろう
真白は“ハハッ”と掠れた声で笑う
(嗚呼……おかしくなってきたわね私……でもいいわ)
真白は滝夜叉で叶を斬ろうとするが叶は滝夜叉の刃を素手で抑える
地面を蹴り、真白は距離を取る
(無下限呪術……本当に厄介ね)
真白は叶の前から姿を消し、背後に立つ
またもや滝夜叉を叶は受け止め、真白を投げ飛ばした
(手負いなのに強い……)
真白は地面に打ち付けられ、投げ飛ばされた体を起こしたが叶は相手に隙を与えないつもりなのかすぐさま攻撃してくる
“術式反転「赫」”
叶は衝撃波を放つ
真白は食らう直前に防御しようとする
(何あれ!?札に霊力をありったけ込めて防ぐしかないわ!!)
“バーーン!!”
砂埃が舞った
真白は防御したにも関わらず、地面に倒れ込んでしまう
(あちこちが痛い……嗚呼、これは死ぬわね)