第34章 敵襲
真白の叫びが辺りに響く
視界の隅には水蛇達がいた
「どうしてよ!!私を置いていかないでよ!!まだ……まだ宿儺様と一緒にいたかった」
(許さない……宿儺様をこんな風にしたあの男……)
「五条叶!!お前だけは絶対に許さない!!」
宿儺の体を抱きしめながら真白は叫ぶように言った
「真白ちゃん」
後ろから水蛇の声がする
だが真白は振り返らなかった
「復讐しても宿儺は__」
「分かってる、復讐は何も生まない、自己解決よ……だけどそれでも私は……あの男を無性に殺したい」
(今、叶が何処にいるのか分かる気がする)
真白は叶のところに行こうと足を動かすが裏梅が真白の行く道を阻むかのように立ちふさがる
「姫様」
「ごめん、裏梅……あなたは……しばらくの間眠ってて」
真白は懐から獄門彊と呼ばれる特級呪物を取り出す
それはあらゆるものを封印する力を持つと言われているものだ
「姫様!!それは!!」
陽翔が強張った表情をする
獄門彊は真白が強かった頃に源清雅と共に数々の京の都で起こった異変のひとつに報酬として貰ったものだ
(真逆こんなところで使うものとはね)
「姫様!!」
「ごめん……ごめんね裏梅、こんな形で別れを告げてしまうのは惜しいけど……幸せになってね」
真白は獄門彊を使って裏梅を封印した