第34章 敵襲
(こんなことをされたら……もう)
「……私、水蛇達と行くわ……だから宿儺様も生きて帰ってきてね」
「嗚呼」
真白と水蛇は走り出し、眷属達と裏梅を連れて離脱した
向かう先は水蛇が保護した人達が住む村だ
(嫌な予感がする……)
走っていた足を止めた
「真白ちゃん?」
真白の隣に走っていた水蛇は真白の様子に違和感を覚え、真白に近付く
前に走っていた眷属達や裏梅も走っていた足を止め、真白のほうに振り向く
「ごめん、私戻るわ……嫌な予感がするの、水蛇達は先に__」
「そう言うと思ったよ……そうしたいのは山々だけど僕達は主を危険なところに向かわせたくないし……仕方ない、一緒に行こう」
水蛇がみんなの気持を代表して真白に言った
真白達の足は屋敷ヘと向かった
とうとう門があった場所にたどり着くと人が倒れているのが見える
(え……)
その人の着ている服に見覚えがあった
後ろに水蛇達がいるのを気にせず、最後の力を振り絞ったかのように門を通った
「い、や……」
視界が涙で埋め尽くされる
「宿儺様!!」
宿儺の体がある場所ヘとたどり着くとそこには悲惨な姿をした宿儺の姿があった
首がなく、指が斬られた酷い死体だった
真白はボロボロになった体で冷たくなった宿儺の体を抱きしめる
顔が涙でぐちゃぐちゃになろうが真白は気にしなかった
(嘘だっと言って……誰でもいいから!)
「いやぁーーー!!!」