第34章 敵襲
「姫様のお陰で男を倒せました」
「え、ええ……凄いわね、私苦労したのに」
「雑魚は片付けましたし宿儺のところに__」
“ドーーン!!”
目の前から何かかが通る
それが誰かに投げ飛ばされたと判断するにはそう時間は長く無かった
投げ飛ばされた人物は武器を地面に刺し、着地した
「宿儺様!?」
何と投げ飛ばされていたのは宿儺だったのだ
「姫様!?」
真白は陽翔の言葉を聞かずに一直線に向かって宿儺に駆け出す
「大丈夫?」
宿儺の顔を覗き込むと思ったよりかは無事そうだ
「何しに来た?」
「目の前で何かが横切ったと思ってそれが宿儺様だと分かったから心配しに来たのよ」
「要らん、それより__」
宿儺の視線は真白から外れ、別のところに向ける
「真白……」
その先には苦い顔をした叶が立っていた
宿儺の攻撃を受けたようであちこちが傷だらけだ
「あの男、前に会った時とは格段に強くなっている」
「私も戦うわ」
「止めろ、あ前では足止めもろくに出来ん」
「……」
「裏梅とお前の眷属共を連れて逃げろ、後で俺も行く」
「でも……」
「駄目だよ真白ちゃん、今の君に出来ることは僕達と逃げて生き延びることだ」
真白は水蛇に腕を捕まれた
(確かにその通りよ、でも……)
真白は宿儺を見つめる
宿儺は真白の気持を察知したのか体を引き寄せ、深く口づけた
「おぉ……」
水蛇が思わず声を漏らした