第34章 敵襲
「ぐはっ」
真白は木に打ち付けられていた
体は切り刻まれたり殴られた跡がありボロボロだ
今戦っている呪術師は眷属達が戦っている者達と違い、明らかに強い
「いい加減諦めたらどうですか?あなたはただ私達と共に来れば良いのです」
目の前に立っている男はどうやら叶の側近で真白と戦う前にある提案を持ち出してきた
“私達と共に五条家に来てほしい、そうすればここから手を引く”
真白は首を横に振った
「大体今まで何もしてこなかったくせに今更どの面下げて五条家に来てほしいのよ」
(そう言えばあのクソ親父も私の身柄を欲していたわね、仮に提案を飲んだとしても平気な顔して約束を破りつけそう)
「あなたには五条家現当主、五条叶様の奥方になってもらいます」
男の言葉を聞いて真白は目が点になる
「……は?」
「これは光栄なことなんですよ、私は男ですがもし女なら私が叶様の奥方になって__ゴホン」
男は咳払いをし、話を逸らす
(この男……やばい奴だ)
真白は少し引き気味に男を見る
「私、もう人妻なのですが?」
「正式な婚姻をしていないのに?」
「そ、それでも私は宿儺様の妻なの!!奥方なの!!」
やけになって言い返していると男が倒れた
「え……」
「姫様!ご無事ですか!?」
どうやら男を倒したのは陽翔のようだ
「う、うん」
(良い時に来たわね陽翔!)
ぎこちなく真白は頷く