第32章 真白の全力
だが真白が最適解を探さほど時間は待ってくれなく和真と戦っていた宿儺に隙が出来てしまった
和真とは別の方向から複数の呪霊が宿儺を襲ってきたのだ
(嘘!!まだいたの!?)
真白はすぐに祓おうと滝夜叉を握ったが体が限界を超えているせいか上手く握れない
祓い損ねた呪霊が宿儺を襲ったが宿儺は呪霊を祓いながら和真とも戦う
だが宿儺も人間だ、体に疲労が出たようで一匹の呪霊の攻撃を宿儺は食らう
そしてまた一匹、もう一匹
挙げ句の果てには多くの呪霊に宿儺の体は乗っ取られた
乗っ取られた宿儺はその場で崩れ落ちる
(嘘嘘嘘!!宿儺様が!!)
和真は宿儺の体に深々と短刀を刺す
真白は動こうとするが体が動かない
(動け動け!!)
力を振り絞って真白は宿儺に向かって駆け出す
和真と宿儺の間に入った真白は足掻いているつもりなのか両手を広げ、宿儺を守る
「もうやめて!!………行きます………五条家に行きますから__」
「そうか」
和真は真白に近付いた
“グサッ”
嫌な音が真白の耳に掠める
「え……」
音が聞こえたのと同時に胸の辺りに痛みを感じた
痛むほうを見ると先程、和真が宿儺を刺した短刀と同じものが心臓近くに刺さっていた
「がはっ」
和真の苦しむ声が聞こえる
視線を向けると和真にも真白と同じ短刀が刺さっていた