第32章 真白の全力
「はぁはぁ」
しばらく呪霊を祓っていたが呪霊の数が多すぎるせいか体力的にも精神的にも限界を迎えそうになる
(ここで……ここでくたばるわけには……)
真白は離れたところで和真と戦っている宿儺を見る
和真も特級呪術師だ
宿儺は少し苦戦しているように見える
(早く終わらせて宿儺様のところに加勢しないと!)
襲ってくる呪霊を真白は滝夜叉を振るい、祓っていった
“ギェーー!!”
最後の呪霊を祓った真白はもう限界を超えていた
呪霊が祓われたのを確認すると真白は崩れ落ちてしまった
(霊力なしだとこんなにも……私、霊力に頼ってばかりだったのね)
真白は宿儺のほうに視線を向ける
そこでは激しい戦闘になっていて今の真白に入る隙もなかった
(私は……傍観しているだけなの?霊力もなくて体力も限界……こんなんでいいの?)
気付いたら真白は後悔をしていた
あの時、八岐の大蛇の封印をするのに霊力を使うのではなく、かつて自分と鈴音の母……玲花と涼葉がしたように命を半分ずつにして封印をしていればこんなことにはならなかった筈だと真白は後悔をしてもしきれない
(でも終わったことよ、今は最適解を探さないと)