第30章 本当の気持ち
「ここって……」
真白が驚いていると宿儺が口を開いた
「真白、俺はお前に惚れている……だから__」
「ちょっと待って!!宿儺様、私以外に好きな女の人がいたんじゃない?」
「女?」
すると宿儺は不機嫌そうな顔をした
「遊郭の時……」
「嗚呼、あれか……あれは呪霊を祓っていただけだ」
「え……」
(もしかして私が聞いたのは……呪霊が苦しんでいた声?てっきり……いや、気にするのはやめよう……結論から言うと宿儺様は呪霊を祓っていただけで私の思い込みだったということか)
(宿儺様も私のことが好きなんだ……でも……)
「本当に私でいいの?」
「嗚呼……お前が良い、この先俺と生きていくのは真白だけだ他の奴を娶るなどと虫唾が走る……真白以外の女はどうでも良い」
「ふふッ」
真白はくすりと笑う
「だから俺の手を取れ」
そう言いながら宿儺は自分の手を真白に差し出した
「強引な言い方ね、でもその強引さに私は惹かれたかもしれないわ、私も宿儺様のことが好き……強くて、気まぐれで奪うだけ奪っていく唯我独尊の人」
「私もこれから先、宿儺様と生きていくわ!!」
真白は宿儺に差し出された手を取った
宿儺は真白を自分の胸に引き寄せ、抱きしめた
「大好きです!!宿儺様!!」
真白は思いっきり抱きしめ返した
抱きしめた腕を離し、宿儺と向き合った
「でも何で宿儺様はこの場所を知っているの?」
「お前の母親と俺が知り合いだったのは分かるだろう?偶に来ていたからだ」