第30章 本当の気持ち
「ふぅ……緊張するわね」
今、真白は宿儺の屋敷の玄関の前にいた
気持を落ち着かせ、屋敷ヘと入った
“ガラガラ”
中からは宿儺ともうひとりの男の声が聞こえた
声に釣られるように真白は歩いていた
そして声がする部屋の前にたどり着き、襖を開ける
「あ、あの〜宿儺様」
「真白……」
宿儺は少し驚いたような顔をしていた
「おや、黄泉の巫女ではないか?」
なんと宿儺と話していた男は槐だった
「何であんたがここに!?」
「嗚呼、僕は宿儺とは友人のような関係でね、普通のことだろう?」
「そこに驚きなんだけど」
(緊張がどっかに飛んでいったわ)
「お疲れ様、よく八岐の大蛇を封印できたね、そろそろ僕はお暇しよう……久しぶりの再開に水をさしたくないからね」
槐は立ち上がり、真白の横を通り過ぎた
宿儺と真白の間には気まずい空気が流れる
「ええっと……お久しぶり……ですね」
「そうだな」
「あの時は……その……なんて言うか……ごめんなさい」
「何故ここに来た?」
「言いたいことがあって……」
「奇遇だな、俺もだ」
その後、別の場所で話したいからと宿儺に言われ、真白は宿儺と一緒にとある場所へ向かった
そこはかつて真白が住んでいた美桜家の本家があった場所だった