第29章 最恐の大異変 〜参〜
「失敗していないし死んでないんじゃないと思うわ、死んでたとしたら呪力を感じないし霊力も感じないもの」
「じゃあ師匠は私と鈴音ちゃんの力を感じるってことか……」
「だが最終的には死ぬのではないか?」
鈴音がふと思いついたように言った
「あ、確かに」
「いいえ、貴女達は死なないわ、対価を払っているもの」
涼葉が否定した
「え、命__」
真白が言いかけるが涼葉はそれに重なるように言った
「対価は命だけじゃないの、膨大な霊力と呪力も対価となるのよ、私と玲花はそれが無かったから魂を半分ずつ分けてそれが対価となったの」
「ということは私と真白は__」
「ええ、霊力と呪力を消費する……回復するには数年かの年月がかかるわ」
玲花が解説するように言った
「貴女達はここに居ては駄目よ、帰るべき場所がある」
「でもどうやって……」
「これを使って」
涼葉は懐から方位磁針のようなものを取り出した
「これは普通の方位磁針と違って赤い矢印の方向に行くと目的の場所にたどり着くの」
そう言いながら涼葉は真白に方位磁針を渡した
「帰る前にさ、親子同士で何か話そうよ」
玲花が遊びでもするかのように言った