第29章 最恐の大異変 〜参〜
真白の中では猛烈に嫌な予感がした
鈴音が何処かに行ってしまうような不安感だ
その言葉を理解するのに真白は時間をかけていなかった 何故なら鈴音の母は禪院涼葉だ
自分の母、美桜玲花と共に八岐の大蛇を封印した人物 鈴音の言葉を聞きながら真白は確信を得た あくまでも真白の考察に過ぎないが八岐の大蛇の封印の解除を知った鈴音は自分のせいだと思い込んだのだろう
そして自らを犠牲にしてかつて自分の母がしたようなやり方で再度八岐の大蛇を封印するつもりだ
(そんなことをしたら鈴音ちゃんの命が……)
真白は鈴音を見た
鈴音は真白の視線を気にせず、呪文のようなものを唱えた
すると鈴音の前には空間のようなものが現れたふたりはそれに飲み込まれていった
真白も鈴音を追いかけようとその空間の中へと入って行った
(うわぁ~何ここ……)
そう思いながらも真白は鈴音の側へ行き、道真を刺している刀を鈴音と一緒に握った
「真白!?」
「鈴音ちゃんの馬鹿!!私がひとりで行かせるとでも思ったの?私も一緒に行くわ!!」
真白は状況や自分の気持ちを整理しつつ、必死に声を出した
「何を言って……」
驚いた顔をして鈴音は真白に言った