第27章 最恐の大異変 〜壱〜
屋敷にいる環は何処か別の場所へ移動した 向かった先はボロボロの家だ
「ここにいるといいけど」
ぼそりと呟き、中へと入った 中にいたのは水蛇、つまりこの家は水蛇のもうひとつの家だ
「おや珍しいお客人が来たね」
机に向かって何かを書いていた水蛇は環の気配を感じて振り返った
「久しぶりね、水蛇」
にこりと環は微笑む
「何の用だい?まぁ大方予想は出来るけど」
「真白を返して欲しいのよね、私には真白が必要だよ」
「それは出来ないね、君のことだ、真白ちゃんを使って何かをするつもりでしょ?」
水蛇は笑って言っているが目が笑っていない
「さてなんのことかしら?」
「とぼけても無駄、君は真白ちゃんを道具として見ていない、そんな奴の元には行かせないよ、それに恩人をすぐに渡すような者じゃないしね」
「残念ねぇ……」
「あの子には時間が必要だ、君だって真白ちゃんの心が壊れたら計画に支障が出るんじゃない?」
「そうねぇ……今回は諦めるわ」
そう言い、環は姿を消した
「やれやれ、厄介な人物に目をつけられたものだ……」