第27章 最恐の大異変 〜壱〜
「はぁ……なんかだるいわね、平和だわ」
真白は机に伏していた
「そうか?今、都では呪霊やら呪いやらで持ちきりだ」
鈴音は真白が淹れたお茶を飲んだ
どうやら水蛇の屋敷に訪問して今に至るらしい
「何その話?私知らないわよ」
「そりゃそうだ、外部からの接触を無くすためにここが存在している、もっと言うと情報が入ってこないしな」
「気になるわね、教えて頂戴」
「……最近、死んだ者が蘇って来るらしい」
鈴音の話しを聞いた真白を眉をひそめる
「蘇る?呪霊とかは違うのかしら」
「呪霊説は無いな、呪霊は人から漏洩した呪力をもとに誕生する存在だ」
「そう……」
真白は深く考えるような様子
「それと同時に呪術師や陰陽師、呪詛師が何者かによって成り代わっているらしい」
「何よそれ……嫌な予感しかしないわ」
「嗚呼……私もだ、一応気をつけておけ」
真白は頷いた
(都で大変なことが起きているわね……まさか八岐の大蛇?)
いつか言われた槐の言葉が真白の脳を過った
(可能性としてはあり得るわね、だとしたら一刻も早くケリをつけないと)
「鈴音、付き合ってほしいことがあるのだけれど……」
「奇遇だな、私も付き合ってほしいことがある」