第25章 それぞれの決意
「どうしようどうしよう……やけくそになって屋敷を出ていってしまった……」
(今の私には衣類も食料もお金もない……)
「せめてお金だけでも持ち出しておけば良かった」
宿儺の屋敷を出た真白は危機を感じていた
「勝手に惚れて、勝手に失恋して……何やってるんだろう、私」
(我ながら身勝手過ぎる……勝手に突き放してそれで悲しんで……)
「でも私の選択肢としては間違っていない……はずよ」
(宿儺様のことが好きになったと自覚しなければ良かったな……胸が苦しい……)
すると真白から光が舞った
それは遊郭で出てきたものと同じような感じだった
「これって何?……分からない……もう全てが分からなくなりそう……」
(誰か……誰か私の味方が……そうだ!!あの人ならッ)
真白は歩き出した
気付いた時には光が消えていた
しばらく歩いているととある家に着いた
それはボロボロで廃屋同然のような状態、本当に人が住んでいるのか怪しいと思う程だ
だが部屋の中には明かりがついているのだろうか、外からでも明かりが見えた
“コンコン”
真白は扉を叩いた
「はーーい」
扉の音を聞いて中から人が出てきた
その人物は真白がよく知っている人だった
「え!!真白ちゃん!?」