第24章 宿儺が想う人物
「いや!!」
叫ぶような声で真白は言った
すると下に五芒星が描かれ、叶を吹き飛ばした
「!?」
(札を使っていないのに何で……)
自分が何をしたのか分からなくなった真白は混乱していた
「真白……それは……」
流石の叶も驚いたようだった
真白はすぐさま逃げようとする
「行かないでくれッ」
真白は逃げようとした足が何故か止まった
「……」
(どうして止めるの?私は五条家を出た身……それなのに何で……)
「真白、俺と一緒に五条家ヘ帰ろう、俺はもう当主だ、あの人たちのことは俺が何とかするから!!だからッ」
(何とかする……)
黙って叶の言葉を聞いていた真白は叶を押し返し、向き合った
真白の中にあった“もの”が紐のようにポツリと切れた
「真白……」
叶の目には光が宿っていた
どうやら彼は真白を説得出来たのだろうと思っているようだ
「さっきから黙って聞いていればごちゃごちゃと……叶さんがこれまであの人たち関係で何かをしてくれた記憶がないです!!」
「……」
その通りだと言わんばかりに叶は黙ってしまった
「私が地下で苦しい思いをしている時にあなたは来てくれた、それはあの頃の私にとって光だった、でもそれは初日だけ、その後は一切来てくれなかった!!」