第24章 宿儺が想う人物
(私……宿儺様のことが好きなんだ)
「あはは、そんな単純なことで泣いていたなんて情けないなぁ」
いつからか環に言われた言葉を思い出した
それは確か真白が宿儺のところに来て間もない頃、宿儺とはどんな人物か気になった真白は宿儺と親しそうな環に人物像を聞いていた時のことだ
“そうねぇ、素っ気ない人ね……あ、都で女子たちの間では“宿儺に惚れれば地獄”という噂があるらしいわ”
「惚れれば地獄……か」
(あの時の私は簡単に受け流してたな、もっと聞いておけばよかった)
光が舞った
それは真白自身から出てきたものだった
(え、なにこれ!?)
「真白?」
突然、聞き覚えのある声がした
すると先程まで舞っていた光が消えた
「ッ!?」
思い出したくない記憶が蘇った
振り返るとそこには叶が居たからだ
「叶……さん」
「久しぶりだね、真白、元気だった?」
叶は真白に近付き、笑みを向けながら言った
「どうして……ここに……」
「僕は友人と飲みに行っていてね、まぁその付き合いさ」
「そ、そうですか……」
真白は少し後ずさる
「真白……」
「あの……すみません、私用事があるのでッ」
叶と関わりたくなかった真白はすぐさま立ち去ろうとするが後から叶に抱きつかれた