第24章 宿儺が想う人物
「もしかして宿儺様も遊郭の案件を受けている?いやまさかね」
(あの部屋の様子が見れたらなぁ、あ!!そうだ!!)
真白は何かを思いついたようだ
「霊力を使って部屋の中の音を聞けないかな……確か師匠が呪力は音も聞くことも出来るかもって言ってた気がする」
(その逆の霊力も出来るかも)
真白は霊力を研ぎ澄ませ、宿儺と花魁が居る部屋の音を聞こうとした
だがこの時の真白は興味本位で聞いた聞いたことを後悔するのだった
「……」
“ガタン”
(何の音?)
“…………”
(何か話しているようだけど聞きづらい……)
“う、うぁぁ……”
(!?)
真白は声を聞いてヤバそうだと思い、すぐに止めた
(多分あの声は宿儺様の隣に居た花魁の声、何か呻いているようだったけど……もうやだこの先のことを想像したくない)
「うぅ……ひっく……」
真白の視界がぼやけた、恐らく泣いているのだろう
(え、何で……何で私は泣いているの?)
胸から込み上げ来る気持ちが何なのか、そして何故自分が泣いているのか分からなく、真白は戸惑った
(この気持ちは何?宿儺様と花魁の姿を思い出すと泣けてくる……これは……嗚呼そっか)
真白の中で起こっている“何か”の正体が分かった瞬間、瞳から溢れていた涙は自然と止まってきた