第23章 真白の役割
真白は絶望したように膝から崩れ落ちた
「でも現し世に帰れる方法があるからそんなに落ち込まなくても大丈夫だよ」
男が膝を曲げて崩れた真白と目線を合わせるように見た
「本当?」
「嗚呼、今からでも帰るけど生憎、僕は君に用があるんだ、君は迷い込んだと思っているだろうけどここに君を呼んだのは僕だ」
(此奴が元凶だ!!)
「用って何?早く帰りたいんだけど」
「手短に済ませるように努力するよ、まず君にやって貰いたいことがある、君にしか出来ないと思っているよ」
真白は男の言葉に耳を傾けた
(めんどくさそうな予感)
「君には現し世で起こる“災い”を阻止、あるいは解決をしてほしい」
(あ、これ私にも関係があるやつだ)
「災いを阻止しろって言われても大体、幽世を救えならまだ分かるけどあやかしは現し世がどうなってもいい筈よ、それにあやかしにとって敵である人間はどうなろうが関係無いと思うけど」
「確かに君の言う通り、でも現し世で起こっている異変は幽世でも関わることだ」
「訳が分からない」
「だろうね、さてと……何処から話せばいいのか……」