第19章 都での異変 〜後編〜
真白は玄関の戸に手をかけて開けた
屋敷の中は古臭く、何処か異様な空気を漂っていた
(うわっ、明らかにいそう……)
そんなことを思いながら真白は屋敷の中に入った
“バン!!”
後から開けたは筈の玄関の戸が勝手に閉まる音がした
「!?」
真白は振り返ると玄関の戸があった場所は襖に変わっていた
(嘘!?何も感じなかった!!)
「後戻りは出来ないってことか……」
(今ので確信した、この屋敷……絶対に何かある!!)
止まった足を真白は動かした
それから真白は襖を開けまくった、襖を開けた先には何もなく、もぬけの殻状態だった
(そろそろ何か出てきそうな予感がするわ……)
真白は警戒を怠らず前に進む
“バン!!”
真白は目の前にあった襖を開けた瞬間、そこは今までとは違い、目の前には後ろ向きに正座した華やかな着物を着ている女の子が居た
(こんなところに女の子?明らかにおかしいでしょ)
「君、何者?人間じゃないわよね」
真白は女の子に声をかけた
女の子は真白の声を聞いて振り返る
「ッ……」
真白の表情が強張った、何故ならその女の子には目が無く、手には人間の顔の模様が描かれている手鞠を持っていたからだ
「足りない、まだ足りない」
女の子はぶつぶつと呟いた
真白は滝夜叉を女の子に向ける
「ふふっ、新しい玩具、みーーつけた!!」
女の子が手に持っていた手鞠を投げて来た
真白はその手鞠を滝夜叉で切り落とした