第19章 都での異変 〜後編〜
「拙い拙い、非常に拙いッ」
真白と離れてしまった鈴音は真白を探そうと走っていた
「ここは呪霊の住処と言っても過言ではない、もし真白の身に何かあったら……私は……ひとりになってしまう」
鈴音にとって真白は自分を変えることが出来た唯一無二の友達と言ってもいいくらいだ
彼女の生家である禪院家は実力主義、強力な術式を持たない鈴音は禪院家にとって邪魔な存在だ
鈴音の味方は死んだ母しかいなかった
前回の呪霊討伐で鈴音は禪院家から切り捨てられ、死ぬ筈だったのを真白が救ったのだ
「……ッ」
鈴音が走っていると開けた場所に辿り着き、そこには呪霊の死骸がゴロゴロところがっていた
「ほう女子か、珍しい」
鈴音の前に居たのは大きな石の上に座った白と黒が少し混ざった着物を着た男が居た
「誰だ、お前」
鈴音は気絶した男達を思い浮かべ、警戒をしていた
「図が高いぞ小娘、俺にとってお前は無価値に等しい」
鈴音は男を見て思った“こんなに多くの呪霊を倒せるほど強いなどとそれなりに強い等級を持っている”と
それと同時に関わらないほうがいいと感じた
「ひとつの訪ねたいことがある、“白髪の少女”を見なかったか?」
「……知らんな」
「そうか、なら私はここで失礼する」
鈴音は男の前から立ち去り、また走り出す
残された男は先程鈴音が言った“白髪の少女”のことが気になっていた様子だった
「“白髪の少女”か……真逆な」
男は鼻で笑い、心当たりがあるようだった