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特級不審者、補助監督を目指す

第1章 入学おめでとう






五条はずしりと腕にかかった重みを受け止めた
腕の中の千聡はヒュウヒュウと不自然な呼吸音を立てている


「おい!」

「千聡!」

「…ご、…はぁ…っ、あたしのロッカーに…薬あるから…赤と白の、手のひらくらいの吸入…」

「硝子!」

「了解。夏油、千聡のジャージの胸開けて少し楽にしてやって」


「あぁ、わかっ………」


走る硝子の背中に声をかけ、
傑が千聡のジャージのジッパーをサッと20cmほど下ろすと、


「なっ…」

「「(何で!?)」」


ええ、豊かなお胸が。直スポブラですから。
千聡ちゃんは着痩せするタイプです。

しかも、左胸には白と黒の花が絡み合った小さなタトゥー。

五条には、それがわずかに光って見えていた


「お前これ…」


傑がジャッと素早く10cmほどチャックを戻す。この間わずか1秒。


「…私は水を買ってくるよ」

「…おう」


硝子がすぐ薬を持ってきてくれたおかげで、とりあえず楽になってきた


「千聡、お前は今日の授業はここまでだ。病院に行くか?」

「いえ…部屋で休めば大丈夫です」

「そうか。少しでも悪くなるようならすぐ教務に電話するように」



「千聡、お水飲めるかい?」

「…仕方ねえから部屋まで送…」

「大丈夫だから。傑、お水ありがとう」

「これ、かなり強い薬じゃん。何でもっと早く言わないわけ?」

「あ、硝子にはバレちゃったかー。最近落ち着いてたんだけど、季節の変わり目だからかな」



「悟、傑、硝子、お前らは授業続行!20分後に着替えて教室集合だ。」

「はぁ?こんな千聡を置いて」

「いいから、行って」

「千聡、本当に大丈夫か?」

「みんなで部屋まで送ろう。それくらいはさせてくれるだろう?」

「…うん。傑、硝子…悟、ありがとう」





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