第9章 再会
何も言えず震えてしまう。
(まさかとは思ったけど、やっぱりこの世界に居たんだ……。ずっと探してた……?なんで………。)
要「君と、ずっと一緒に居れるかと思ってたのに目が覚めたらこの世界に居て………。君を見つけやすいように組織に入ったんだ。全然、下っ端だけどね。」
ふふ、と嬉しそうに話している姿に背筋が凍る。
『組織……って………。』
要「凄く良い所だから安心して?」
『私が、この世界で知ってる組織に良い組織なんて無いっ!………です……。』
無意識に怒気を含んだ言い方を、してしまい少し戸惑っている様だ。
要「大丈夫だよ?僕が 紫乃には何も、しないようにって聞かせてあるから。
だって今回の強盗は僕がリーダーなんだよ!」
凄くキラキラした表情で、こちらを見ている。
(ダメだ………、話が通じない………。)
要「……そういえば 紫乃の隣に居た眼鏡の男の人は誰かな?」
『え………、知らない………です。』
要「僕に嘘をつくのかな?名前を呼んでいたし、親しい仲に見えたけど。」
『…………。』
要「……………まあ、いっか。こうして再会したんだし。一緒に帰ろう?」
『えっ…………、嫌!』
腕を強く引っ張られる。
抵抗していると扉が開いた。
沖「 紫乃さん、起きたんですね。………どこに行くんですか?」
『沖矢さんっ………。』
要「あれっ、さっきの眼鏡の………。やっぱり知り合いだったんだ。」